ライブ配信の全体像
ライブ配信とは、映像・音声をリアルタイムで視聴者に届ける仕組みです。全体の流れはこうなっています。
カメラ・マイク
↓
エンコーダー(OBS等)
├── 映像・音声を圧縮
└── 配信プロトコルで送信
↓
配信サーバー(YouTube・Twitch等)
↓
視聴者のデバイスでデコード・再生
エンコードとは
カメラからの映像は非常にデータ量が多く、そのまま送信するとネットワーク帯域が足りません。エンコードとは映像・音声を圧縮してデータ量を減らす処理です。
映像コーデック:
- H.264(AVC): 最も普及している。互換性が高い。配信の標準
- H.265(HEVC): H.264より約半分のデータ量で同画質。ただし対応機器が限られる
- AV1: 次世代コーデック。YouTubeが対応を進めている
配信では現在もH.264が最も安定して使えます。
音声コーデック:
- AAC: 配信の標準。YouTube・Twitchともに対応
- MP3: 古い形式。配信よりも音楽ファイル向け
- Opus: 低遅延に強い。WebRTCで使われる
配信プロトコルの種類
RTMP(Real-Time Messaging Protocol)
YouTubeやTwitchへの配信で標準的に使われるプロトコルです。OBSの「配信」設定でそのまま使えます。
- ポート: TCP 1935(デフォルト)
- 遅延: 数秒〜10秒程度
- 安定性: 普及しており、問題が起きにくい
- 向いている用途: YouTube Live・Twitchへの一般的な配信
SRT(Secure Reliable Transport)
不安定なネットワーク環境でも安定した配信ができる低遅延プロトコルです。
- 遅延: 0.5〜1秒程度
- 特徴: パケットロスを自動補正、暗号化対応
- 向いている用途: StarLinkや不安定回線での配信、長距離伝送
NDI(Network Device Interface)
同一ネットワーク内での映像伝送に使うプロトコルです。
- 遅延: ほぼゼロ(LAN内)
- 特徴: カメラ・スイッチャー・PCをLANで繋げる
- 向いている用途: 会場内のカメラ映像をOBSに取り込む
ビットレートと画質
ビットレートは1秒間に送るデータ量(bps/Mbps)を表します。高いほど画質が良いですが、ネットワーク帯域が必要です。
| 解像度 | フレームレート | 推奨ビットレート |
|---|---|---|
| 1080p | 60fps | 6〜9Mbps |
| 1080p | 30fps | 4〜6Mbps |
| 720p | 30fps | 2〜4Mbps |
| 480p | 30fps | 1〜2Mbps |
現場での判断基準:
アップロード速度の**50〜70%**以内に設定するのが安全です。10Mbpsのアップロード速度があれば、5〜7Mbpsで配信できます。
遅延(レイテンシ)
ライブ配信には必ず遅延があります。カメラで撮った映像が視聴者に届くまでの時間です。
| 方式 | 遅延 |
|---|---|
| RTMP通常モード | 5〜30秒 |
| YouTube低遅延モード | 3〜7秒 |
| YouTube超低遅延モード | 1〜3秒 |
| SRT | 0.5〜1秒 |
| NDI(LAN内) | ほぼゼロ |
スポーツ実況や双方向配信は低遅延が重要です。一方的な講演・セミナー配信なら通常モードで問題ありません。
まとめ
配信の基本は「エンコーダー(OBS等)で圧縮 → RTMPで送信 → 視聴者がデコード」という流れです。ビットレートは回線速度の50〜70%に設定し、プロトコルは用途に合わせて選びます。