帯域(バンド幅)とは
帯域(バンドウィズ)とは、一定時間にどれだけのデータを転送できるかを示す値です。単位はbps(bits per second)。一般的にMbps・Gbpsで表します。
配信現場ではアップロード帯域(配信サーバーへ送り出す方向)が重要です。ダウンロード帯域が速くても、アップが遅ければ配信は落ちます。
各用途の帯域消費目安
配信(RTMP・SRT)
| 配信品質 | ビットレート目安 | 必要アップ帯域 |
|---|---|---|
| 720p 30fps | 3〜4Mbps | 6〜8Mbps |
| 1080p 30fps | 5〜8Mbps | 10〜16Mbps |
| 1080p 60fps | 8〜12Mbps | 16〜24Mbps |
| 4K 30fps | 20〜40Mbps | 40〜80Mbps |
余裕係数として1.5〜2倍を確保します。 ネットワークは常に100%の安定ではなく、揺れ(ジッタ)があるためです。
NDI(LAN内)
NDIはLAN内の通信なので、インターネット回線の帯域は消費しません。ただしスイッチ・ケーブルの帯域を消費します。
| NDI品質 | 帯域消費(1台あたり) |
|---|---|
| NDI Full(1080p60) | 約120Mbps |
| NDI HX3(1080p60) | 約20〜40Mbps |
| NDI HX2(1080p30) | 約8〜16Mbps |
NDIカメラ4台をフルHDで運用する場合、LAN内に 4×120=480Mbps の帯域が必要です。1Gbpsスイッチでは不足する場合があります。 10Gbpsスイッチか、NDI HXに切り替えるかを検討します。
Zoom・Webex(リモート登壇)
| 用途 | 消費帯域 |
|---|---|
| Zoom HD送受信 | 上下各 3〜5Mbps |
| Zoom 720p 30fps | 上下各 1.5Mbps |
| Webex 1080p | 上下各 4Mbps |
Zoomは上下両方の帯域を使います。リモート登壇者が多い場合は合算して計算します。
観客・スタッフのWi-Fi
1人あたり1〜5Mbpsとして、接続人数をかけて想定します。ただし全員が同時最大通信するわけではないため、同時接続数×30〜50% を実効値として見積もります。
帯域計算の例
例:観客100人・配信1080p・リモート登壇者2人の構成
| 用途 | アップ帯域 | ダウン帯域 |
|---|---|---|
| 配信RTMP(1080p8Mbps) | 16Mbps | - |
| Zoom登壇者2人 | 10Mbps | 10Mbps |
| スタッフ10人Wi-Fi | 15Mbps | 15Mbps |
| 観客100人(30%同時) | 15Mbps | 50Mbps |
| 合計 | 56Mbps | 75Mbps |
この例では、アップロード60Mbps以上・ダウンロード80Mbps以上の回線が必要です。
帯域不足のサイン
- 配信がコマ落ちする・止まる
- OBSのビットレートが設定値より大幅に低い
- Zoomの画質が自動で落ちる
- スタッフからWi-Fiが遅いと苦情が来る
帯域確認の手順
- 設営後、機器を繋ぐ前に回線テストを行う(speedtest.net等)
- 機器を繋いだ後、実際にOBSを動かして配信テストをする
- OBSの「統計」パネルでドロップフレームとビットレートを監視する
まとめ
帯域計算は「配信ビットレート×2倍」を基本に、Zoom・NDI・スタッフ・観客のWi-Fiを合算します。現地でのスピードテストと配信テストは設営後に必ず行い、本番前に問題を潰しておくことが重要です。