配信現場での有線 vs Wi-Fi
ライブ配信では「安定性」が最優先です。Wi-Fiは柔軟ですが電波干渉・距離減衰・チャンネル競合が起きます。有線LANはケーブルが必要ですが、安定性では圧倒的に優れています。
基本方針: 配信・音響に関わる機器は有線LAN。観客・スタッフの情報端末はWi-Fi。
有線LANが必須の機器
| 機器 | 理由 |
|---|---|
| 配信PC | 途切れると配信断。最重要 |
| NDIカメラ・エンコーダー | 高帯域(100Mbps/台)・遅延安定が必要 |
| ビデオスイッチャー(有線対応機種) | 安定した制御通信が必要 |
| IPインターカム | 遅延が少ない有線が適切 |
Wi-Fiを使って良い機器・用途
- スタッフのタブレット・スマートフォン(進行管理・SNS等)
- 登壇者のPCスライド送り(Bluetooth代替)
- 観客向けゲストWi-Fi
- カメラリモコン(ワイヤレス操作)
観客Wi-Fiはあくまで「おまけ」として設計し、配信回線と切り離しておくことが重要です。
LANケーブルの種類と選び方
| カテゴリ | 最大速度 | 用途 |
|---|---|---|
| Cat5e | 1Gbps | 一般的なLAN配線 |
| Cat6 | 1Gbps(高品質) | 長距離・ノイズ環境での使用 |
| Cat6A | 10Gbps | NDI複数台など高帯域が必要な場合 |
現場ではCat6以上を使うのが安全です。既製品ケーブル(コネクタ付き)は製造品質が安定しており、現場で自作するより信頼できます。
ケーブル長の注意点
- LANケーブルは最大100mまで(イーサネット規格)
- 100mを超える場合はスイッチングハブ(中継器)を使う
- POEエクステンダーを使うと電源も中継可能
Wi-Fiのチャンネル設計
2.4GHz vs 5GHz vs 6GHz
| 周波数帯 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| 2.4GHz | 遠くに届く・壁に強い。混雑しやすい | 広い会場での観客Wi-Fi |
| 5GHz | 速い・干渉少ない。距離・壁に弱い | スタッフ・配信関係者 |
| 6GHz(Wi-Fi 6E) | 最も空いている。最新機器のみ対応 | 高密度環境での配信補助 |
チャンネル干渉を避ける
2.4GHzは隣接チャンネルが干渉します。複数のAPを使うなら1ch・6ch・11chの3つを使い分けます。
5GHzはチャンネル数が多く干渉しにくいため、会場内に複数APを設置する際は5GHzを中心に設計します。
会場によって注意すること
- 大型展示会場・体育館:電子機器が多く2.4GHz帯は特に混雑
- 屋外:気象レーダーとDFS(動的周波数選択)で5GHz帯が使えないチャンネルがある
- ホテル宴会場:建物設備Wi-Fiと干渉することがある
配線計画のポイント
事前に**ネットワーク図(配線図)**を書いてから設営に入ります。
- 回線引き込み箇所(ONU/ルーター設置場所)を決める
- 幹線ケーブル(ルーター→スイッチ)を引く
- 各エリアのスイッチからデバイスへ分岐
- Wi-Fi APの設置場所と電源を確保
まとめ
配信PC・NDI機器は有線LAN一択です。Wi-Fiは「使っても良い範囲」を明確にし、配信の帯域と切り離して運用します。ケーブルはCat6以上を使い、チャンネル設計をして干渉を減らすことが安定した現場ネットワークの基本です。