ハウリングとは
ハウリング(フィードバック)とは、スピーカーから出た音がマイクに入り、再びアンプで増幅されてスピーカーから出る…というループが発生し、「キーン」「ボー」という不快な音が鳴り続ける現象です。
発生するメカニズム
マイク → ミキサー → アンプ → スピーカー
↑ ↓
└────── 音が回り込む ──────────┘
このループが閉じた瞬間、音は際限なく増幅されてハウリングになります。
ハウリングが起きやすい条件
- スピーカーの前・近くにマイクがある
- ゲイン(音量)を上げすぎている
- 会場の壁・天井が音を反射しやすい
- EQの特定の周波数が持ち上がっている
- マイクの指向性と配置が合っていない
予防策
1. スピーカーの後ろにマイクを置く
スピーカーには「後ろ」があります。単一指向性マイクの場合、カーディオイドの背面はほとんど音を拾いません。マイクを使う位置をスピーカーの死角に設定することが最大の対策です。
2. ゲインを適切に設定する
入力ゲインを上げすぎない。必要な音量はフェーダーで作り、ゲインは信号レベルの設定に留めます。
3. EQでハウリング周波数を削る
ハウリングが起きやすい周波数は会場ごとに異なります。事前に「リングアウト(ハウリング出し)」という作業を行い、ハウリングが発生する周波数をEQでノッチ(削り)しておきます。
リングアウトの手順:
- マイクを立てて通常の位置に置く
- フェーダーをゆっくり上げていく
- ハウリングが起きる寸前の音量を確認
- その周波数をEQで1〜3dB削る
- これを繰り返すと使える音量が上がる
4. マイクは演者に近づける
マイクと演者の距離が離れるほど、必要な音量が増えてハウリングしやすくなります。ピンマイクやヘッドセットを使うと距離を一定に保てます。
現場でハウリングが起きたときの対処
- すぐにミューとorフェーダーを下げる
- 原因を特定する(どのマイクか、スピーカーとの位置関係か)
- EQで該当周波数を削る
- 音量を少し下げてから再開
慌ててフェーダーを上げ下げすると状況が悪化します。まず落ち着いて音量を下げることが最優先です。
グラフィックEQとパラメトリックEQ
ハウリング対策にはグラフィックEQが使いやすいです。31バンドのスライダーが並んでいて、視覚的にどの周波数を操作しているか分かります。
デジタルミキサーにはパラメトリックEQが内蔵されており、周波数・Q値(帯域幅)・ゲインを細かく設定できます。
まとめ
ハウリングの予防は「マイクとスピーカーの位置関係」「適切なゲイン設定」「EQによる周波数調整」の3つが柱です。リハーサルでリングアウトを行い、本番前に余裕のある音量設定にしておくことが現場でのトラブル防止になります。