配信遅延(レイテンシ)の仕組み:どこで遅延が発生するか
配信に遅延は必ず存在する ライブ配信では、カメラで撮影した映像が視聴者の画面に届くまでに必ず遅延(レイテンシ)が生じます。完全なゼロは実現できません。遅延がどこで発生するかを理解することで、必要に応じて減らす対策が取れます。 遅延が発生する場所 カメラ撮影 ↓ [①カメラ内処理:数フレーム〜数百ms] キャプチャーボード / HDMI入力 ↓ [②キャプチャー処理:数十ms] OBS(エンコード) ↓ [③エンコード時間:数十〜数百ms] ネットワーク送信 ↓ [④ネットワーク遅延:数十〜数百ms] 配信サーバー(YouTube等) ↓ [⑤バッファリング:数秒〜数十秒] 視聴者のプレーヤー ↓ [⑥デコード・再生バッファ:数百ms〜数秒] 視聴者の画面 合計:通常5〜30秒。低遅延設定で1〜3秒程度まで短縮可能。 各段階での遅延の詳細 ①カメラ内処理 映像センサーからHDMI出力までの処理時間です。業務用カメラは短く、一眼カメラやアクションカメラは長い傾向があります。 ③エンコード OBSでのエンコード処理時間です。x264(CPU)はNVENC(GPU)より遅延が大きい場合があります。OBSのプレビュー遅延とは別物なので注意。 ⑤バッファリング(最大の要因) 配信プラットフォームが映像を受け取ってから視聴者に配信するまでのバッファです。ここが最も大きな遅延を生みます。 モード バッファ遅延の目安 YouTube通常 15〜30秒 YouTube低遅延 3〜7秒 YouTube超低遅延 1〜3秒 Twitch低遅延 3〜5秒 遅延を減らすべき場面 視聴者とのリアルタイムコミュニケーション(コメント読み上げ等) スポーツ競技の実況(結果がすぐ知られると問題がある場合) インタラクティブなオンラインイベント 遅延を許容できる場面 一方向の講演・セミナー配信 アーカイブ目的の配信 視聴者との双方向性が不要な配信 音声と映像のズレ(AV同期) 遅延とは別に、音声と映像がズレる「AV非同期」問題も現場でよく起きます。 主な原因: キャプチャーボードの映像遅延に音声が追いついていない Bluetoothオーディオの遅延 OBSの音声同期設定のずれ 対処法: OBSの「音声の詳細プロパティ」→「同期オフセット」で音声を遅らせて映像に合わせます。 まとめ 配信遅延の大部分は配信プラットフォームのバッファで発生します。低遅延が必要な用途では「超低遅延モード」を使い、SRTで配信サーバーを自前に持つことも選択肢です。多くのイベント配信では通常モードで十分です。